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Written By:
川俣 晶 |
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ちょっと悩ましい問題に気付いたのでメモっておきます。 対象はC# 3.0です。 メモなので用語等不適切かもしれません。 デリゲート型フィールドをラムダ式で初期化する §リスト1は通るコードです。 コンストラクタでデリゲート型フィールドをラムダ式で初期化しています。 リスト1 コンストラクタで初期化 §using System; class A { private int x = 0; public Action d; public A() { d = () => { Console.WriteLine(x); }; } } class Program { static void Main(string[] args) { A a = new A(); a.d(); } } 初期化式を移動させる §ラムダ式をコンストラクタからフィールドを直接初期化する位置に移動させると、コンパイルが通らなくなります。 リスト2 フィールドを直接初期化 §using System; class A { private int x = 0; public Action d = () => { Console.WriteLine(x); }; } class Program { static void Main(string[] args) { A a = new A(); a.d(); } } エラー 1 フィールド初期化子は、静的でないフィールド、メソッド、またはプロパティ 'A.x' を参照できません d:\w\test\ConsoleApplication73\ConsoleApplication73\Program.cs 8 27 ConsoleApplication73 何が問題なのか §リスト1はthisをキャプチャしているからメンバにアクセスでき、リスト2はキャプチャすべきthisが無いからメンバにアクセスできない、という話ではないようです。Reflectorで見る限り、キャプチャという手順無しでthisへのアクセスは可能になっているようです。(デリゲート型はインスタンスの情報を持つので、それを経由すれば上位環境のthisをラムダ式に引き継げる……のだと思う。たぶん) つまり、初期化タイミングが違うだけで、メンバにアクセスできる、できないの差が出ます。 別の例 §オブジェクトの初期化構文を使っても、やはり初期化はできませんが、理由は違います。このラムダ式はクラスBではなくクラスCに含まれるので、そもそもBに対するthisはあり得ません。 リスト3 オブジェクトの初期化構文を使う §using System; class B { public int x = 0; public Action SomeMethod; } class C { public B b = new B() { SomeMethod = () => { Console.WriteLine(x); }, }; } class Program { static void Main(string[] args) { C c = new C(); c.b.SomeMethod(); } } エラー 1 エラー 1 名前 'x' は現在のコンテキスト内に存在しません。 d:\w\test\ConsoleApplication75\ConsoleApplication75\Program.cs 18 39 ConsoleApplication75 で、何が問題なの? §当面は以上の確認とメモだけ。 |
